エコや環境保全に興味関心がある方の中には、自宅に太陽光発電用のパネルを設置していることがあります。注目が集まったのは2011年ころからで、同年3月に起きた東日本大震災に関連した計画停電で不便を感じた地域の方々から特に注目されました。ほかにも、余った電気は電力会社に売却でき、ある程度の収入が生まれることから、家計の負担を減少させることも可能です。
少々古いデータではありますが、2014年時点での太陽光発電機器設置世帯は56万戸に達しています。九州地方のように晴天が多く、日照時間も長い地域での普及率が高く、反対に日照時間が短く積雪量が多い東北地方や北海道では普及率が低い傾向があります。
さて、太陽光発電に必要な太陽光パネルはDIYで設置できることをご存じですか?個人向けに必要な機器をセット販売している業者もあり、実際にDIYで設置した方もいらっしゃいます。
DIYで設置ができれば、業者に依頼する分のお金が浮くため、できれば自分で設置をしたいと考えている方もいるでしょう。しかし、DIYで設置するにはいくつかの注意点があります。
太陽光パネルは、100Wあたり最大電圧18Vが発生します。もし、100Wパネルを2枚設置するのであれば36V、3枚であれば44Vです。30V以上の電圧を扱う設備を設置するときには「電気工事士」の資格が必要です。第一種と第二種がありますが、ご自宅に太陽光発電関連機器を設置するのであれば、第二種資格で十分です。
日光が当たっている間、太陽光パネルは発電をします。工事中は覆いをかけて発電しないようにしていますが、それでも設置中に感電事故が発生することもあります。屋根に設置するという関係上、感電によるダメージはそれほど大きくなくとも、ショックで転落することも考えられます。命綱やヘルメットを装着するなど、入念に安全確保を行う必要があります。
資格や安全性の担保という面をクリアしても、なお専門の設置業者に依頼したい理由があります。それは「施工計画書」の存在です。
施工計画書とは、簡単に説明すると「このような工事を行いたい」という計画書です。これは太陽光発電に限らず、一軒家を建てる建築工事や電気設備工事など、およそ「工事」と名のつく作業を行う際には必須のものです。
これがなければ工事を行うことができません。この書類は単純に工事の内容を示しているだけではなく、安全確保や品質の担保という面にも言及しています。そのため記載すべき事項は多岐に及びます。施工計画書のテンプレートを販売している業者が数多くいることを考えると、ミスのない書類を作ることの難しさと存在の重要性はご理解いただけるでしょう。
現場で太陽光パネル等の関係機器を設置した経験がある人ならばともかく、経験のない素人がDIYで設置することは安全面や設置後の安定稼働を考えるとおすすめできません。業者を比較検討し、合い見積もりをとることで費用の節約にもつながりますから、節約すべき部分とそうでない部分をあらかじめ認識しておく必要があります。
結論としては、太陽光パネル等の発電機器は、DIYで設置することも可能です。しかし、安全面などを考えるとやはり、業者に依頼することをおすすめします。とはいえ、庭先に置いてガーデンライトに電力を供給するような小さなサイズのものであれば、比較的安全に設置することも可能です。設置する機器の規模などに応じて、DIYで設置するのか、業者に依頼するのか検討しましょう。